日本LGBTサポート協会の活動レポート

LGBTQ+のQとは?クエスチョニング・クィアの意味を分かりやすく解説!


最近、ニュースやテレビ番組でも「LGBTQ」が取り上げられることも増えてきましたよね。

しかし、「レズビアン」や「ゲイ」はよく知られている一方で「クエスチョニング」については、どのようなセクシュアリティなのか理解が追い付いていない印象があります。

「性のあり方」は多様であるからこそ、”クエスチョニング”や”クィア”と呼ばれるセクシュアリティの存在を理解することは大切です。

そこで、今回は【LGBTのQとは?クエスチョニング・クィアについて】分かりやすく解説したいと思います!

あなた自身が性のあり方に迷っている、もしくは身近な人がセクシュアリティに悩んでいる場合、この記事を読んでセクシュアリティの理解を深めることができるはずです。

知れば知るほど奥が深いセクシュアリティを一緒に学んで、考えていきましょう!

セクシュアリティを考える時に大切な4つの視点

まず、LGBTQの用語を知る前に理解しておくべき概念があります。

それが、

・性自認
・性的指向
・生物学的性
・性別表現

の4つの視点です。

この4つの意味や違いを知っておくことで、LGBTQへの理解もスムーズに進むでしょう。

1.性自認

「性自認」とは、自分がどんな性別だと感じるかの認識のことを言います。

多くの人は、生まれた時に男女の性別に分けられますが、なかには「自分は男でも女でもない」と感じたり、「割り当てられた性別とは違う」と考える人もいます。

このように、自分の性への感じ方はさまざまなことから「性自認」と言われています。

2.性的指向

「性的指向」とは、好きになる・惹かれる性別のことを指します。

例えば、「異性愛者(性的マジョリティー)」と言われる人々は、異性に惹かれる人のことです。
(ex:男性→女性、女性→男性)

反対に、「同性愛者(性的マイノリティー)」は、同性に惹かれる人のことを言います。
(ex:男性→男性、女性→女性)

なかには男性と女性の両方の性別に惹かれる「両性愛者」もいます。

性的指向も性自認と同様に、みんなそれぞれ感じ方や捉え方に違いがあるんですね。

3.生物学的性

「生物学的性」とは、外性器、内性器などの生物学的特徴により、性のあり方を考えることです。

わかりやすくいえば、「身体の性」ともいえるでしょう。

例えば、女性は妊娠出産やができますが、男性はできませんよね。

そういった身体的機能の違いからアプローチする方法が「生物学的性」となります。

4.性別表現

最後に、「性別表現」は服装やしぐさ、言葉遣いなどから性へのアプローチをすることを指します。

例えば、テレビ番組などで活躍しているオネエタレントが分かりやすいかもしれません。

IKKOさんやマツコデラックスさんは、生物学的性は「男性」となりますが、表現したい性は「女性」となります。

「らしさ」の性とも言われる性別表現ですが、服装や言葉遣い、振る舞いを、自分自身
がどのように表現したいかを言います。

また、性別表現は性自認と一致することが多いですが、必ずしも一致しない場合もあります。

【まとめ】
①「性自認」:「こころ」の性。自分自身が認識している性別のこと
②「性的指向」:「好き」の性。恋愛感情や情緒的・性的な関心がどの性別に向かっているかを示すもの
③「生物学的性」:「からだ」の性。身体的な特徴や染色体などより客観的に判断されるもの
④「性別表現」:「らしさ」の性。服装や言葉遣い、振る舞いを、自分自身がどのように表現したいかということ

クエスチョニング(Questioning)とは?

LGBTQの「Q」は、”クエスチョニング(Questioning)””クィア(Queer)”の二つの意味があります。

どちらも、性的指向や性自認について、明確に定義づけられない、あるいは定義したくない人々を指す言葉ですが、ここでは「クエスチョニング」に注目して解説していきますね。

まず、クエスチョニングとは、自身の性自認(自分が男性なのか女性なのか、あるいはそのどちらでもないのか)や性的指向(誰に惹かれるのか)が定まっていない、もしくは意図的に定めていない状態を指します。

例えば、

「まだ自分のセクシュアリティについて十分に理解できていない」
「既存のカテゴリー(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルなど)に当てはまらないと感じる」
「性自認や性的指向が流動的で、時間とともに変化する可能性がある」

など、さまざまな理由でクエスチョニングを自認する人がいます。

クィア(Queer)とは?

一方で、「クィア」は、もともとは同性愛者を差別する言葉として使われていました。

しかし、近年では、性的マイノリティのすべてを包括する言葉として使われるようになり、特に、既存のカテゴリーに当てはまらない人々や、カテゴリー分けを拒否する人々によって積極的に使われています。

クィアは、単一の定義があるわけではなく、人によって様々な意味を持つ言葉です。

例えば、

「性的指向や性自認にとらわれず、自由に自分自身を表現したい」
「社会通念にとらわれず、多様な性のあり方を肯定したい」
「ジェンダーや性的指向に関する固定観念に挑戦したい」

など、さまざまな思いを込めて使われています。

クエスチョニングとクィアの違いは?

同じLGBTQの「Q」でも、クエスチョニングとクィアは若干意味合いや言葉の使い方が異なります。

クエスチョニングは、自身のセクシュアリティについてまだ分からない、あるいは定義したくないという状態を指すのに対し、クィアは、既存のカテゴリーに当てはまらない、あるいは当てはまることを拒否する性的マイノリティのすべてを包括する言葉となります。

クエスチョニングは、あくまでも個人的な状態であるのに対し、クィアは、政治的な意味合いを持つアイデンティティであることも大きな違いです。

反対に、クエスチョニングとクィアの共通点は、

・性的指向や性自認を既存のカテゴリーに当てはめることに抵抗がある
・多様な性のあり方を肯定し、ジェンダーや性的指向に関する固定観念に挑戦したい

という部分では同じと言えるでしょう。

私たちにできることは、それぞれの言葉の意味を理解して尊重することです。

あなたの身近にもクエスチョン・クィアの人はいますか?

次は、彼らが日常で抱える悩みにフォーカスしてお話ししていきます。

 

クエスチョニングの人が日常で抱える悩み

クエスチョニングの人は、自身のセクシュアリティについて理解が深まっていく過程で、さまざまな悩みを抱えることがあります。

例えば、

・自分のセクシュアリティが分からない
・ 周りに理解してもらいにくい
・ 孤独を感じる
・将来が不安
・セルフイメージが低い

といった感じです。

彼らの悩みを知ることで、彼らへの理解を深めていきましょう。

1. 自分のセクシュアリティが分からない

まず、クエスチョニングの人が抱える大きな悩みの1つとして「自分のセクシュアリティが分からない」ということが挙げられます。

「自分が誰に惹かれるのか、男性なのか女性なのか、あるいはそのどちらでもないのかが分からない」
「過去の恋愛経験から、自分の性的指向が分からない」

このように、自分自身が分からないことで、周りの人と比べて自分のセクシュアリティの発達が遅れているように感じることもあります。

2. 周りに理解してもらいにくい

また、クエスチョニングはゲイやレズビアンとは異なり、周りに理解してもらいにくいことがあります。

また、クエスチョニングの人は常に「カミングアウトしても理解してもらえないのではないか」、という不安と常に戦っています。

そのため、自分がクエスチョニングであることを知っている人にしかカミングアウトできないことや、家族や友人から、「まだ本当の恋愛を知らないだけでしょ」と言われることもあります。

3. 孤独を感じる

また、クエスチョニングの人は孤独を感じやすいとも言われています。

それは、同じ境遇の人が少なかったり、周りの人と話が合わないことで、自分のような人は他にいないのだと孤独を感じることがあるからです。

ゲイやレズビアン、バイセクシュアルやトランスジェンダーはインターネット上でもコミュニティーが比較的多くあり、同じ境遇の人に出会いやすいと言われています。

反対に、クエスチョニングのコミュニティは数が少なく、なかなか同じ境遇の人と出会えないのも孤独に感じる原因なのではないでしょうか。

4. 将来が不安

クエスチョニングの人の多くは、「自分がどんな人と恋愛したり結婚したりするのか想像できない」、「子どもを持つことができないのではないか」と、将来が不安になることがあるようです。

社会の中で自分がどんな役割を果たせるのか分からないのも、彼らが日常で抱える悩みの1つだと言えるでしょう。

5. セルフイメージが低い

クエスチョニングは、周りの人に理解されづらいこともあり、「自分がおかしいのではないか」と感じることもあります。

その他にも、

・周りの人と比べて、自分が劣っているように感じる
・自分のセクシュアリティを受け入れることができない
・誰も自分のことを分かってくれない

など、クエスチョニングの人はセルフイメージを低くしてしまう傾向があるようです。

もしあなたがクエスチョニングであると感じ、上記のような悩みを抱えているのであれば、一人で抱え込まずに、以下のような方法で解決策を探してみることをおすすめします。

・LGBTQに関する情報収集をする
・LGBTQの当事者向けの相談窓口に相談する
・LGBTQの当事者向けの交流会に参加する
・信頼できる人に話を聞いてもらう

あなた自身のセクシュアリティについて理解を深めて自分を受け入れることができれば、悩みを乗り越え、より充実した人生を送ることができるでしょう。

まとめ:揺れ動くのも、あなたらしさ

いかがでしょうか?

クエスチョニング・クィアについての理解は深まりましたか?

あなたの性自認や性的指向が流動的で、時間とともに変化するのは決しておかしいことではありません。

「性はグラデーション」と言われているように、自身の性のあり方が揺れ動くことは当然なのかもしれません。

もし、あなたがクエスチョニングだけど、自分のことを理解してくれるパートナーを探しているなら「日本LGBTサポート業界」はきっとあなたの力になれるはずです。

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