日本LGBTサポート協会の活動レポート

LGBTQ当事者が家族と良好な関係を築く方法

LGBTQ+

家族と良好な関係を築くことは、人生においてとても大切なことです。

しかし、LGBTQ当事者の場合、時として家族に理解してサポートして貰うことが難しいことがあります。

カミングアウトのタイミングや方法、どうやって家族と上手にコミュニケーションを取るかに悩む方も多いでしょう。

家族の反応が怖かったり、自分の気持ちをどう伝えたらいいか分からないこともよくあります。

そこで、この記事では【LGBTQ当事者が家族と良好な関係を築くための具体的な方法】を紹介します。

適切な準備とコミュニケーションの方法を知ることで、家族との関係を深めることができます。

家族との関係に悩まれている方は、ぜひ参考になさって下さいね。

LGBTQ当事者が家族関係で直面する困難とは?

良好な家族関係は、幸せな人生を歩むために非常に重要です。

しかし、多くのLGBTQ当事者は家族に自分の本当のセクシュアリティを伝えられずに距離ができてしまったり、セクシュアリティが原因でトラブルを抱えることも少なくありません。

そこで、ここでは【LGBTQ当事者が家族関係で直面する困難】についてお話ししていきます。

・カミングアウトの不安
・家族の反応が怖い
・LGBTQに関する理解不足や偏見
・孤立感や疎外感を感じる

それでは1つずつ見ていきましょう。

カミングアウトの不安

自分のセクシュアリティを家族に伝えることは、大きな一歩です。

しかし、その一歩を踏み出すこと自体とても勇気のいることですよね。

例えば、「今このタイミングで話しても大丈夫なのか?」と考えると、心の中で葛藤が生まれることもあります。

このような不安や葛藤から、カミングアウトを先延ばしにしたり、どのように伝えるか悩んだりすることもよくあるでしょう。

家族の反応が怖い

LGBTQ当事者が不安になる原因の1つとして、カミングアウトをした際に家族がどのように反応するか予測ができないことがあります。

そのような不安は、当事者にとっても大きなストレスになります。

特に、今まで家族と良好な関係を築けていた当事者は、「今までの関係が崩れるのではないか」、「家族に嫌われたらどうしよう」と怖くなってしまうでしょう。

LGBTQに関する理解不足や偏見

家族がLGBTQについての知識が不足している場合や、偏見を持っている場合も考えられます。

当然、誰もがLGBTQに寛容なわけではありません。

人それぞれ、さまざまな価値観があるため、あなたの家族がLGBTQに偏見を持っている可能性もゼロではないでしょう。

このような場合、あなたのセクシュアリティや性自認を受け入れることが難しく、誤解や対立が生まれることがあります。

たとえば、家族が「それは一時的なものだ」と考えたり、偏見に基づく意見を持っていたりすることがあるかもしれません。

孤立感や疎外感を感じる

家族が理解を示さなかったりサポートを得られなかったりすると、孤立感や疎外感を感じることがあります。

特に家族からの支援が必要な学生などの場合、距離を置かれてしまうと誰にも相談ができずに孤独に感じることがあります。

頼れる人が身近にいなくなるのは、本当に苦しいことです。

だからこそ、LGBTQ当事者の多くが家族にカミングアウトをしないことを選んでいます。

家族との対話を始める準備

LGBTQ当事者が家族とオープンに話し合うためには、しっかりと準備することが大切です。

この準備にはそれぞれ段階があるため、ここではこれらのステップについて詳しく解説します。

1.自己理解を深める
2.適切なタイミングと場所を選ぶ
3.周囲のサポート環境を整える
4.LGBTQについて正しい知識を伝える

1.自己理解を深める

まず、家族との対話を始める前に、自分自身のセクシュアリティや性自認について深く理解することが重要です。

自分がどのようなアイデンティティを持っているのか、それが自分にとってどういう意味を持つのかを理解しておくと、家族に説明する際に自信を持って話すことができるでしょう。

自己理解が深まることで、家族からの質問にもしっかりと答えられるようになります。

2.適切なタイミングと場所を選ぶ

次に、カミングアウトのタイミングと場所を選ぶことも重要です。

家族がリラックスしている時や、特に忙しくない時を選ぶと良いでしょう。

また、対話をする場所も考慮する必要があります。

静かで落ち着いた環境を選ぶことで、家族が話に集中できる状況を作り出すことができます。

たとえば、家庭のリビングルームや、公園のベンチなど、リラックスできる場所がおすすめですよ。

3.周囲のサポート環境を整える

家族との対話に備えて、周囲のサポート環境を整えることも大切です。

信頼できる友人やLGBTQコミュニティのメンバーと事前に話し合ったり、事前にサポートをお願いしておくと安心です。

家族との対話が思うようにいかない場合でも、誰かに相談できることで気持ちが楽になりますよ。

また、必要に応じて専門的なカウンセリングを受けることも考えておくといいでしょう。

4.LGBTQについて正しい知識を伝える

家族がLGBTQについての知識をあまり持っていない場合、正しい情報を共有する準備をしておくと良いでしょう。

例えば、LGBTQの用語や概念についての説明、LGBTQの人々が直面する社会的な問題などを簡単にまとめて伝えることで、家族が理解しやすくなります。

情報を共有する際は、本などから客観的にアプローチするのも良いでしょう。

カミングアウトのタイミングと方法

LGBTQ当事者にとって、家族へのカミングアウトは非常に大きなハードルです。

そのため、多くの当事者はどのタイミングで、どのような方法で家族に自身のセクシュアリティを伝えるべきか悩む人も多いのも事実。

結論から言うと、カミングアウトのタイミングは、あなたが「伝えたい」と思った時がベストです。

「今はまだ話したくない」と思ったら、家族にあえて伝えないのもOKだと思います。

あなたが伝えたいタイミングで、家族の様子を見ながら「ここだ」と思ったタイミングで伝えていきましょう。

また、家族からの質問や反応に対しても冷静に対応できるように、事前にいろいろなシナリオを想定しておくと安心ですよ。

また、カミングアウトの方法もさまざまです。

例えば、

・直接話す
・手紙やメッセージ
・第三者のサポートを得る

など、自分が一番伝えやすい方法を選ぶといいでしょう。

直接話す

最もオープンで直接的な方法は、家族と対面で話すことです。

顔を見て話すことで、感情や思いをより伝えやすくなります。

また、相手の反応を直接確認できるため、話の進行を調整しやすいというメリットもあります。

この方法を選ぶ場合、家など静かで落ち着いた場所を選びましょう。

手紙やメッセージ

面と向かって話すのが難しい場合、手紙やメッセージを使う方法もあります。

この方法では、自分の考えや感情をじっくりと整理して伝えることができるため、誤解が生じにくくなります。

また、相手に読む時間を与えることで、相手が冷静に考える時間を持てるという効果もあるでしょう。

第三者のサポートを得る

カミングアウトが難しい場合、信頼できる友人やカウンセラー、LGBTQサポートグループのメンバーにサポートをお願いすることも有効です。

第三者がいることで話がスムーズに進むことがありますし、感情的になった場合のサポートも期待できます。

近くに頼れるコミュニティーがある場合には、事前に相談しておくのもいいですね。

家族とオープンに話すためのコツ

家族とオープンに話すためには、いくつかコツがあります。

まず、自分の気持ちを冷静に伝えることが大切です。

感情が高ぶると話がこじれてしまうことがあるので、深呼吸をして心を落ち着けるようにしましょう。

また、家族もあなたのセクシュアリティを受け入れるのに時間がかかることがあります。

そのため、自分の気持ちを率直に伝える一方で相手の気持ちにも寄り添い、共感を示すことが大切です。

さらに、家族があなたに質問できる雰囲気を作ることも重要です。

なぜなら、あなたの両親はおそらくLGBTQについて分からないことが多く、急なカミングアウトに頭が混乱してしまう可能性があるからです。

彼らがLGBTQについての理解を深める機会を作ることで、あなたのセクシュアリティを受け入れやすくなるでしょう。

まとめ

家族との関係は、LGBTQ当事者にとって非常に重要でありながらも、時に難しく感じてしまうもの。

カミングアウトする際には、適切な準備とタイミングを選び、冷静に話し合うことが大切です。

家族が理解を深めるには時間がかかることがありますが、オープンな対話を続けることで、お互いの理解が深まります。

そして、家族との良好な関係を築ければ、あなたの幸せにも繋がります。

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