日本LGBTサポート協会の活動レポート

色々な家族のカタチ|女性同士の私たちが「家族」になったエピソード

「同性カップルでも、幸せな家族になれるのかな?」

そんな疑問を感じたことはありませんか?

同性同士で人生を共に歩むと決めたとき、多くの人が直面するのが「家族」という概念の壁。

法律や社会の仕組みは異性愛の夫婦を基準に作られていることが多く、「私たちも家族になれるの?」と疑問を抱く人は少なくありません。

けれど、家族のカタチはひとつではありません。

今回の記事の筆者である私は、同性である女性パートナーと共に生活を築き、社会の壁を乗り越えながら「家族」になりました。

そして今、3人の子どもを育てながら幸せな家庭を築いています。

この記事では、私たちがどのように「家族」になったのか、そして同性カップルが家族として生きていくために大切なことをお伝えします。

あなたが「家族になりたい」と思ったときのヒントになれば幸いです。

私たちは「家族」になれるのか?

「家族になれる未来なんて、想像もしていなかった」

2016年の当時を振り返ると、その言葉が第一に思い浮かぶ。

私たちの共通の知人である職場の先輩が、「気が合いそうな人がいるよ」と紹介してくれたのが、今のパートナーだった。

その先輩はバイセクシュアルで、セクシュアリティに関する理解が深い人だったからこそ、私たちを結びつけてくれたのかもしれない。

それまで私は、恋愛といえば「男性」とのものだと思っていた。

同性に惹かれることはあったものの、自分が女性と付き合うなんて想像もしていなかった。

けれど、彼女と過ごす時間は驚くほど心地よく、気がつけば自然と惹かれていた。

そして、付き合うことになった。人生で初めて、女性と恋をした瞬間だった。

しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。

「男性と結婚しなきゃいけない」

その思い込みが、何度も私たちを引き裂いた。

付き合っていた2年間、私は3度も彼女と別れた。

「やっぱり、私は男性と結婚しなきゃいけないんじゃないか」

別れた原因は、お互いにそう思ってしまったからだった。

社会のどこを見ても、結婚といえば男女のもの。

親の期待も、周囲の「結婚しないの?」という言葉も、すべてが「男性と結婚するのが当たり前」という前提でできていた。

私はその固定概念に囚われていた。

「好き」という気持ちがあっても、それを貫く勇気がなかった。

それでも、離れては戻ることを繰り返していたのは、彼女と過ごす時間が誰よりも幸せだったからだ。

将来の話をするとき、いつも私たちは「子どもがほしい」と言っていた。

でも、同性同士で家庭を持つなんて考えたこともなかったし、それができるなんて思いもしなかった。

「どうしたらいいのか」「そもそも、そんな道はあるのか」。

考えれば考えるほど、不安ばかりが募った。

そんなとき、私はアメリカ人の友人に相談した。

「本当に愛する人と生きるべきだ」

その言葉が、私の背中を押した。

友人は私の悩みを静かに聞いたあと、こう言った。

「誰と結婚するかは、社会のためじゃない。あなた自身が幸せになるためのものだよ。あなたは本当に愛するべき人と一緒にいるべきだ」

その言葉に、ハッとした。

私は何のために結婚をするのか? 誰のために生きるのか?

答えは、ずっと目の前にあった。

迷いを断ち切り、私は彼女と共に生きる道を選んだ。

同性カップルでも、家族になれる。そう信じて、一歩を踏み出した。

それからの私たちは、家族として生きるために何ができるのかを模索した。

同性パートナーシップ制度のある自治体を調べたり、同性カップルでも子どもを迎える方法を学んだり。

家族の形は、異性愛者だけのものではない。

私たちも、大切な人とともに温かい家庭を築くことができるのだと、少しずつ確信へと変わっていった。

親との関係:受け入れられるまで

「同性パートナーと家族になりたい」

その思いが固まったとき、私は親にカミングアウトする決意をした。

けれど、最初からすんなり受け入れてもらえたわけではなかった。

「お父さん、そういうのはちょっと分からないや」

父の第一声は、そのひと言だった。言葉を選んでいるのは分かった。

でも、そこには戸惑いと困惑がにじんでいた。

母はもっとはっきりとした反応だった。

「結婚も子どもも諦めたのね」

私たちが養子縁組することを伝えると、母はそう言って肩を落とした。

その言葉を聞いた瞬間、胸が締めつけられた。

「違う、私は家族を諦めたわけじゃない」と言いたかった。

でも、親が想像する“普通の結婚”とは違う形である以上、すぐに理解するのは難しいのだろうと思った。

「どうしたら伝わる?」親のためにできることを考えた。

両親にとって、同性同士の結婚は未知の世界だった。

私のことを大切に思っているからこそ、「この先、苦労するんじゃないか」「本当に幸せになれるのか」と不安だったのかもしれない。

どうしたら理解してもらえるのか? そう考えたときに、私はLGBTに関する本を数冊選び、両親に送ることにした。

「すぐに答えを出さなくていいから、読んでみてほしい」

そう伝えて、少し距離を置いた。

無理に説得しようとしても、かえって壁をつくるだけかもしれない。

だからこそ、焦らず時間をかけることにした。

本を渡してから、3ヶ月が過ぎたころ。父と母から連絡があった。

「色々と考えたけど、お前が幸せなら、それが一番だな」

その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れた。

あれほど戸惑っていた両親が、少しずつでも私たちの関係を受け入れてくれたのだと感じた。

ただ、家族として認めてもらえても、すべてが解決したわけではなかった。

両親は親戚や職場の人たちには、私が同性のパートナーと結婚したことを話していなかった。

周囲の反応が怖かったのだと思う。

「理解すること」と「公にすること」は、まだ別の問題だったのかもしれない。

それでも、私たちが家族になった事実は変わらない。

そして、親がゆっくりでも向き合おうとしてくれたこと。それが何より嬉しかった。

社会の壁と家族としての絆

2018年秋に、私たちは養子縁組を結び「家族」になった。

それは、想像以上に嬉しい瞬間だった。

「カタチは少し違うけど、これで“家族”になれたんだね」

パートナーの苗字に変わった新しい戸籍を見たとき、胸がいっぱいになった。

婚姻という形ではないけれど、養子縁組をすることで、法的に“家族”として認められた。

その事実が、これまでの不安や孤独を少し和らげてくれたような気がした。

同性同士では結婚できない日本では、養子縁組という形を取ることで戸籍上の関係を築くしかない。

でも、それでもよかった。

私たちは互いに支え合い、人生を共に歩む覚悟があったから。

家族になれた喜びとは裏腹に、社会の中ではまだ“言えないこと”があった。

職場では、管理職にカミングアウトした。

しかし、同僚には本当のことを伝える勇気が持てなかった。偏見が怖かったのだ。

「彼氏はいるの?」

そんな何気ない質問にも、私はいつも言葉を濁していた。

結婚の話になると、さらに気まずくなる。

結局、「男性と結婚した」と嘘をつくことで、その場をやり過ごすようになっていった。

最初は「仕方がない」と思っていた。でも、嘘を重ねるほど、心が疲れていった。

「嘘をつくことが、こんなに苦しいなんて」

職場で「旦那さんの話」を振られるたびに、作り話をするのが辛くなった。

好きな人と結婚できたのに、それを堂々と話せない。

それどころか、まるで自分の大切な人の存在を否定しているような気持ちになった。

小さな嘘が積み重なり、私は精神的に追い詰められていった。

家では「幸せだ」と感じるのに、職場では「本当の自分」を隠し続けなければならない。

そのギャップに耐えられなくなっていた。

子どもを迎えるという選択

そんな精神的に追い詰められている状況のなかで、一つの奇跡が起きた。

妊娠したのだ。

実はこの頃、「私たちにも、子どもを迎えられる方法があるのだろうか?」

そう思いながら、毎晩のようにインターネットで検索を繰り返していた。

同性カップルの私たちが子どもを持つことは、現実的には難しいかもしれない。

でも、どうしても諦めたくなかった。

何度も調べ、いくつもの情報にたどり着いたが、日本では同性カップルの妊娠・出産に関する制度がほとんど整っていないことを痛感した。

それでも、諦めずに調べ続けるうちに、海外の精子バンクを利用する方法を知った。

そこには、年齢や職業、趣味、遺伝的な背景まで詳細に記載されたドナーのプロフィールが並んでいた。

「もしかしたら、本当に私たちでも子どもを迎えられるかもしれない」

奇跡のような希望が、少しずつ現実味を帯びてきた。

私たちは話し合いを重ね、まずは私が妊活に挑戦することに決めた。

海外の精子バンクを利用して希望に合うドナーを選び、精子提供を受けた。

そして、奇跡的に妊娠が成立した。

長女が誕生したとき、胸に抱いた小さな命の温かさに、言葉にならないほどの喜びを感じた。

この子が、私たちの家族の新しい一歩を踏み出す存在になるのだと思うと、愛しさがこみ上げた。

長女が1歳になったころ、次はパートナーが妊活に挑戦することにした。

同じ方法で精子提供を受け、無事に妊娠。

お腹の中で新しい命が育っていく様子をそばで見守りながら、家族としての絆がさらに深まっていくのを感じた。

そして次女が生まれ、私たちの家族は4人になった。

次女が1歳になるころ、私はもう一度妊活に挑戦した。

そしてまた奇跡的に妊娠し、三女を出産。

気がつけば、私たちは3年間で3人の娘を迎えてにぎやかな5人家族になっていた。

同性カップルであっても、家族を築くことはできる。

私たちは、その事実を自らの経験を通して実感した。

育児は決して楽なものではない。

それでも、パートナーと協力し合いながら、愛情いっぱいに子どもたちを育てていく日々は、かけがえのないものだ。

「ママが2人いることって、特別なことなの?」

ある日、長女がそう聞いてきた。私は笑って答えた。

「特別かもしれないね。でも、3人が大人になる頃には、ママが2人でもあたり前の社会になっているといいな」。

同性同士でも、家族はつくれる。

そして、その家族の形に正解はない。

大切なのは愛し合い、支え合いながら、一緒に生きていくこと。

私たちの家は、今日も笑い声に包まれている。

まとめ:家族のカタチは一つじゃない

同性カップルでも、家族を築くことはできます。

私たちは試行錯誤しながら子どもを迎え、愛情いっぱいの家庭をつくることができました。

もちろん、簡単な道のりではありませんでしたが、諦めずに前を向けば必ず自分たちに合った方法が見つかるはずです。

「家族を持ちたい」という想いがあるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。

もし「出会いがない」と悩んでいるなら、LGBT専門のお見合い「LGBTサポート協会」を利用するのも一つの方法です。

ここでは、LGBTに理解のある仲人が寄り添いながら真剣な出会いをサポートしてくれます。

ぜひ、新しい一歩を踏み出すきっかけにしてくださいね。

もし、「なかなかいい出会いがない…」と悩んでいる方がいれば、一度LGBTサポート協会にご相談してみてください。

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